2009-01-01から1年間の記事一覧

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さよならの透明に明日のえっと午後路頭に伏す列の儚みから魚慎む鐘の音より淡い蓮を研ぐ頭身を持たぬ神なれども死なれども死雫から触覚泣かれぬ悲しさよ小屋壊してウサギがいた頃のようにする浅い意識に誰かの足首あり円環すっぽり排水溝に嵌るイーと伸びた…

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蜘蛛から見た愛もある茶筒を開けよ敬い腐る蟻噛み締めて忘れる肉箱欠けた部分も箱午前の黒い砂液体の店主は秘密に商店街裸体に勾配あり水たまりが波打ってる古城鳴き仮死のぬくさを内から積む溜息と鳩の血で弾くピアニスト鉄を撫でる涙目のすぐ下までスカー…

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うたた寝の顔にかぶせる本身体が透けてゆく断面を読み取るつてに黒い足草浴びて頬を打つ軽トラの荷台誰もいない鏡の中の薄い紙関わるための屈伸後頭部には鈴月の陰になる槍月の方へ伸びる木の葉潤みだす森の奥から凝視耳は二つ目の口土壌を転げ回る雷横切り…

カタリと雪平大嵐も煮るつもりなのか穴ぐらから砂塵へうねる腕の跡水を吸う滝よわたしも二枚舌着ぐるみを脱ぐ風船ら手紙揺らし微温い海が濡れている小さな町の鐘灰を積む花壇を少しでも高く呼吸で呼ぶ遠く悲しい貨物列車芋蔓に錆びた鉄絡むわたしだ過ぎ去る…

ペンキ尽きたバケツ下げコンロの火見る回廊立ち止まる未亡人の皮膚の延長生後軽やかなニードルになり鳥の飛ぶ場所苦心の内訳書く紙が縦枠で墓所の風部屋に積もる雪を蒟蒻履いて踏むフィルムケースに入れられても泳ぐ水母の滓風向きに背を向け生家包み研ぐ刃…