■
コーヒーカップの取っ手を傀儡汚れて通る
くるぶしを他人の血色から抜き取る
鐘の破片に待ち合わせる特使等も余韻
紺色のテトラポットに沈む船
その家を焦がす炎に鋭い点呼
眼科の裏で今日見た夢から磁石を取る
仇を取り花を植え地を這い身ごもる
斧持って肌身に樹齢擦り付ける
平日に帽子の下で泡を剥く
フィルタ遮光する目を流線の根にする
今六月の六時元日にコンパス刺しに
血管を抱いて泣くほど鳥だった
子らは貝にチョコを詰める明日は砂が子らに
靴脱いで雲に取り残され冷たい
自らに鞭打つ腕を渡るペンギン
互いして海の向こうにいる自分
まだ住める袋を揺らすうるさい屈伸
電報ぴんと張る浜千鳥、浜千鳥は死んだ
千切れた不死鳥交差点に堆く集う
復唱して殴る熱海の遠い蛇行