2009-10-04 ■ 脳裏から脳裏へ靡く眩しい泥通り過ぎた電車を頼りにシチュー煮る屋上に揃った靴と静電気獣の毛と連なる土この見晴らしに住む水底の村へ百年分の髪折り鶴を解けば痛切なる宇宙人家に殖えた蕎麦そこへ訪ね来たる外套蛙になり浜を照らす雑念は釜カフェがらんとテーブルにバレリーナの爪先泥をはこぶ郊外は美しい労働指笛をやめてしゃもじをうつろな目初耳に虹立てて寝る島の冬セキセイインコの部位中立に喚く柱蛙の目に花もまどろむ通り雨そばに捨てる竹も脱いだ一肌と数え魔が差す二階から豹柄の巨大な舌蝋燭を立てて港を閉じ込める光らぬ信号へ人夫等の恐るべき吐息昭和初期高鳴る胸を山に送る寝る空が見える角度の血の海に