2010-01-01から1年間の記事一覧

溶接工も死ねば泣く猿の檻の前新緑過多陰ばかり楽しい犬の散歩異世界の別れに洞窟いっぱいの花高音に縋り付く蔦もろとも落城猫と分かる夕暮れ住処を撫でに来る掻き乱す糊の奥までまったき昼雑な旅行の杭錆びてヘラヘラと笑う張り裂けておしまい村一番の菊メ…

手のひらのみ震える立体視のさなかの人間耄碌して輪廻の一部を羊に殉ずる溝の暗がりを髪とし立つ悪ひとり裸足で鳴く虫にテニスコートからテニスボール休日は火花で家が好きと大輪銀河仰ぐ網膜下に黄金の河メモとの距離求める式日没に浮かぶ斧の反射に円盤映…

鯱入れた火事のいれものから悲鳴山奥まるで膨らむ双眸またひとりプレハブ建つ欠けた錠菓が喜ばれ庭とは一種の倦怠足りてしまう煉瓦詐欺はたらく老躯に震度ゼロの話薄暗い鳥の軌跡打ち消す位相橋落ちて水より人が先に柱泥の産毛受光してこじれる水深馬切り抜…

村人消す伝来途中の写真技術春は内臓をねじり続けた文の嵐幻術で気がふれ返し問いの国日に日に傾く部屋半年後に大家の染み全てが鉄でできた街の眼として一輪騎乗する踏んでつんざく耳あるとき割ってなお鳴かぬバイオリンと奏者捨てた覆面へ迸る女生徒の紅蓮…

飛び地の果樹脈莫大に鬱ぎ込む夜の卵膨らむ手紙より早く月光遮る森大昔に芽生えた殺意凸面鏡の車から死に顔へ布現し世の破片以外は全てカラス猿に象牙盗ませ殖える象の母犬の背にスプレー痕笑うべきは旅団本の本当は地が裂け強化ガラス不意に空に屈伸して死…

蹄鉄で窪む混血児の幻空洞を内からしごく係員明るい世の中パンをちぎっている・いない論犬の服裏返しに大鍋の上ポケットから片手出しフグひらけば農場記念碑溶け込む公園に少女着衣のままビルいっぱいに膝枕ぬるい血携え空転する松葉杖が留守の小屋を引き裂…

冷蔵庫しょって地割れの戸を叩く庶民枯れゆく音近日をトロフィーでぶつ紺ばらまき銃殺刑降る五階は無事米落として泣く軽くなっただがもういい激情のいかなるときも牛引いて青ざめた帯いかに肉体指すべき器に石吐いて燕の命がクルリ凶作の田に昔から武士の咳…

虚空の密度を持つ蠅は二秒でできている禍々しくウェイター滑り来る泥濘祝うに家の密着無く大声で結う吹雪に靡く衣服の縫製部位音読手錠は足に幻は右目に投身霧は長い爪で歩く受胎を匂わせ弁当の真綿照らす空中爆発開口部のない部屋に一滴の囮渚を指す手首の…

欺いて陶芸教室にも曙光つがいのサイ渦巻くカザフスタンに傘花いっぱい詰めた靴下炉心に寄り添う十字に刻む庭肌で感じつつ崇拝炸裂する母性を明かりに帰路を這う不死身に瓦し連ねる大樹にも似た戦ぎ迷路も本も同じ糸を引き抜けば吹雪箸乱れる意中に川と水車…

口に遠い触媒うねる準備室凍る白鳥段差を越えられずに砕ける華やぐ老人は渦巻きに例えにくい火中の僧暗い騒ぎを目深にする風光明媚な食肉にすくむ骨しまう家具水没吊り橋だけが揺れている噴霧の要項満たす恋敵砂塵と化す蔦状の逆鱗を抜け北の旅踊りの範疇に…

祭壇の残像で舞う手紙の主レモンはみ出す糸電話にコンロを聞かせている道さみしくないように轢いてやろうか芭蕉蛇の目裂き母来る火花として迎えに背を伸ばし提灯落とすずっと落ちる城壁を滑落する指ころり独楽牛乳をわずかに逸れて風呂の栓霊験にまかせてハ…

子供の遊んだ輪に別れの砂を敷く街嘴が三日月を抜く愛撫の恍惚鈍角に感染する不均衡の女体箱の無人で笑うほど手刀の白い腕寂寞を彩る面で向く南掘って出す石は冷たい牛の視野浮遊しない蝶にブルドーザー奏でる引き戸にのこぎりも引く破片はクッキー善人の畑…

ただ問い合う応接室に空の水槽草原が苦いから山小屋浮かぶマトリョーシカに月しまい今夜満マトリョーシカ砂利を板に括った噂が先に来るヤシの木の外に鏡の托鉢僧アルカリ性のカマキリに継ぎ足すチーズ大いなる壷にせせらぐ華道家の血縄文杉を孕むから引き出…

泣く真似する子供だという回る卵折れてギザギザの鉛筆で歴史ティッシュに書き込む渓谷に桜の花びらダンスで焙る靴を貫く棒と親善大使の近似婦女舐め合う歩道に移植された舌食虫を介して惑星負うならわし芽を蓋する王冠に崖かける海足から腕に通す指輪の夫は…

希有な咎町中に椰子の実を孕む一重の紙に移り破れた坂を下る硬直を許す弾痕に活字当てる菓子焼いて鳥の名残を皿にする篝火浴び井戸に戯れ返す老婆爪先が友刺すとき頭部は下敷き割るタンク歯であれ並びに吸い付く鬱な茎世界の果ての崖に産毛まず希望が死ぬ絶…

混声の昼間は千々にビールつぐトカゲの死骸のそばにフエラムネヴーンと唸る粉塵と化す壁の会釈会釈で突っ切る書道のせがませ方キリキリと雨期を狭める税としてせせらぎへ派生する巨像もう車の通らない道を人々が寝だした憚りとは塾の裏手の空想の鐘植樹に絡…

(ここから2010年)蝋再度冷え手形は銀父性の関ポ状に沸騰する鍋この世に人がいてよ固形物としての氷河期黙祷遮る野と湯葉の結び目では破裂も仰々しい教会の奥の振り子で眉間を打つ蝶の死を以て石油の弾力試す無声歯茎摩擦音がネガにずれ込む念写着崩れから…

神子の代で鐘の巨大な影を置く気も首も同じ紛れるなら宇宙結露以前に存在していたのか巨人生きてと囁き続けるラッパに車輪の跡屋根に登り雷に絵馬を吊る祝賀の形態刺々しく皮膚張らずに出荷果皮丸まる枝先を蝋燭で焙る刑は無音この先幾許かの空中低く飛ぶ円…

用紙突き破り姪が後頭部に着く回路の一部として発光する火口のカラス鉄骨無形の序に猿の手雷鳴を突く木陰を繰る湯気笑み疲れた老婆の口から引き戸に引かれくすぶる櫂をしんがりに山河憂い剥がすタイルに麦降る母船の傾き光源を横切るイカの習いに血堀の死角…

穴に立てた線香手がかりなく煙る餌取った道具から食べヒヒンと死ぬ猿鍋を囲む客がいた今は灰の山だ屑畑に屑蒔く屑その屑食う屑心臓に貝柱置く陸の民不定の柵は板チョコ息苦しい一数える車窓にめりこみ保つ故障したビルとの距離草抜いて海を呼ぶすぐそばに川…

着物が冷たい随分遠くに靡く笹舟壁焼いて嘘はお嫌いでしょうから吹雪き明けて紙の破れ目に靴底合う打ち伏して銀の祭りの幅を書くシャツ山吹内部に柳として背骨歩く牛の波紋で倒壊する家屋深層心理に箱空けているそこにメロディー ミを場所にファを暇にして食…

別荘の窓から放射極まる図体公園にストロー刺して息を足す双子双方が肩車しくぐる門無窮大河に水牛襞を伸ばしても水牛王宮にいないわたしが一番大きい同じ獣の牙砂漠と幼稚園に突き出るソフトクリーム玄関に置いて地割れに出かける牛飼いの抑揚に背足らず足…

つくし返す春に押しつぶされた手で足の数へ促音混ぜる火花翌日に底を目指し一万年落ち続けるバネ雨過ぎてなおザーと雛を呼ぶラジオ部屋にラムネ菓子の袋を貼りしゃがむほだされて別れは羽化せず小夜うねる寝てつくる暗がりが滝と流れる門三角定規をベランダ…

カラス鳴くかも頭痛から物差しの距離に空 未来にいる饅頭を食べている銀行は膨らむ紙袋から手足わたしはいったい弦で弾いてみるいい音洗面器であった輪を持ち雨降る昔花に首輪を付けて連れて歩く長髪死後すぐの三半規管に熊が棲むソファの陥没から足受信だ書…

旬過ぎて大樹にぶら下がる目つぶしナマズ逃げる図の振り出しに目薬差すひとりにさせた星の半分はくらいいの形に曲げた片腕を渡る鳥膝にない抑揚誰からも砂場谷底の牧場へ髪逆立てる獰猛な柱時計と大広間巨眼に住む蔑みを地上から寄越す太古の路上を透ける風…

焦土の中央に宇宙ひとの形をして斜面に四肢破れて月を運ぶ砂泥です泥ですと信号そのせり上がる速度鉋屑の沖から風に聳える笛澱むゴムの白い汀を飛び出すバネ砂蛇行した先の舟はおかわりの分土に代わる感情がなく塩を撒くいずれチョーク自体が居場所となる山…

歯牙前方に連鎖の真っ只中に在る薄い台本第三者以外ガラスケース滝をさする晩年二次的には煙街の低温を嬲る風屋上から胡椒葡萄からギリシャへ蔓で咎を貸すリスが降る無人の劇を見る無人朝の来ない聾学校で渦を聴く裏返した靴下を裏返って履く食肉が先に漂う…

復讐する熊ども無数の指従え脚注を経由した血の色に暮れる戸二枚開かぬほど近接し庭のタキシード夏に戻る路傍の形状記憶合金地上から地上を撃つ昏睡の射程筒抜けに石碑までもが部屋の中積んだ畳から号令が帽子をかぶせる押し黙る茎と一律に小作人鉢植えを差…

邂逅せず沼から切開する野原旗途切れて流刑の理解を浸す乳房安らかではない女の手の骨しかし秋晴れ窓から見える街が内臓まで透けて見える糸通され浮く牛舎に魚拓差し込む半身は居住を拒む蜃気楼深い畑に花びらためて病床刺す首外して置くこの隙間を逃げてく…

連綿と手摺が絡めとる野菜ここに積み木を無力だ交響曲が光る絶滅種を飲み込んで羽化する国道漠然と雲であるため昨日は雨針を抜く母一塁に二人いる頬と海へ同時に触れる大きな泡霞む駅舎末端では酢を垂らす失意のまま壷の紋様に巻かれて外雪深くて下車 泥の行…