歯牙前方に連鎖の真っ只中に在る

薄い台本第三者以外ガラスケース

滝をさする晩年二次的には煙

街の低温を嬲る風屋上から胡椒

葡萄からギリシャへ蔓で咎を貸す

リスが降る無人の劇を見る無人

朝の来ない聾学校で渦を聴く

裏返した靴下を裏返って履く

食肉が先に漂う未明の運河

刀の昼百世紀して紙一枚

あすあしたのどちらかへ吹くカラーポール

熊で覆う盆地に星として遂げる

朽ちる音へ出した舌の色に眠り受領

館何度も内側に折られ九時が長い

子供が笛で吹く幻に沼から助走

夜だ気付かないでおこう

海が滑る草原に針状の娘

細菌みたいねこの島々シャツ靡かす海女

ウレタンの角を熱している電話

千の裸体を隔ててカニのうまい部分