エジプトの風鉛筆で鰓と書く

懐の穴を出る手にぬくい石

光トロリと星から溢れ出シーソー傾く

私物の針溜まる溝へ預言書引き裂く

別れの車輪が突き出す化石の御者割って

氷柱刺す枝擁して紙破く筆圧

後退った場所の透明に刻む目盛り

廃棄される万力の夜は宝石潰す

音ごと溶けて一縷の長い末路に指

外出を撫でて足のみ出す縁側

呼吸不全で倒れる背に都市入り口のない

川沿いにガラスの鹿が多数いる

コップを外れる波紋開けば等しく目

垂れる紙の丸みを愛するからもう昼

雨風ともにレジに落とすべく鈍い効果

子馬かわいい小屋から出て直角に向かう

背中と呼び慣れた板を行路に灯し霧

手の震えに薄く剥ぐ橋の薄皮

風のない星の都に焼く光

海の奥に屈折して鍵となる友