■
窓から鶴と出す首が平行に白い
割れた海に喉貸し数え唄歌う
寝間着に打たれた底板の釘で触る海
桃から引きずり出される自分が見え多重草
壁の綺麗な穴から角出るまでテレビ
袖で縛られた柱の風上から近付く
水門から見える南に群がる鳥
シャボン玉に隠れても三日月となるベランダ
頬張る頬の無表情なる右手に猟銃
指で押した雪の上が限りなく透明
風にまみれた神殿を彷徨う碁石
閉じかけの目という夕日に押される刑
女の袖から出るヒューズも愛すればいいのか
大縄の結び目に鰭なぞと巻く
十字路で落ち合う噴煙から甘み
柱朽ちたも同然四肢を残すのみ
窓際の手が溌剌と浮いている
朝の首を取る舌の舐り単独行動
星形の夕飯遠方から囲む
先人の血と交わる宇宙が立体