2009-08-11 ■ お手玉の手首が火に照らされ太鼓霧より出て霧に戻るワイヤーの痕です蝶崖まで飛び重力と密約するうろ覚えの紙袋に窓震わす風倒れる何もないところへ額装路上に毬弾ませ庭の虫食い算力士の硬直唇から始まり消灯屋上に雹を案内する看板寄り添うふりして垂れ下がる足格子状乱していいとは一言も風はこぶ棺打ち上げられ矢印みたいに故郷指す犬とはぐれている大きな柱が長針寝室の内圧に棲む淡い天体森尖る先端で焚く火が哀れどこに呻く鐘でありたい刺を抜く傘をなぞる鉛筆より濡れたい窓辺書物過ぎて風あう街の独り櫓目印は鳥だと知る足跡切り刻まれ春の強い捺印よけて裾伸ばす行軍に蔦持ち上げて砂糖まぶす