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薬物が見せる実揺れ七月死にがち
熾烈を極める右折詩集が音貸すほど
平日へドッと歓喜の段ボール
繭汚れてカサカサ鳴るネジ穴のそば
朝に輝く槍密偵を刺し貫く
箱に白いブーツが入っていて絵本
標本の時間ゆうらと曙光香る
柱ほぐれて三つ編みに梵我の音信
シーンをよぎる猫思い出に広い田舎
星空凝るくらいヘドロに蛇生きて
武士の兜をラジオにかぶせてこそ山脈
直訴真四角のマットこの世のお下がり着る
手の届かぬ塀に吸い殻疼く不死
ゆっくりゆっくり明るくなれ外水筒下げて
キャンプファイヤー喪主の耳喪の色に焦がす
帰国子女の寝言は砂堆くデリカシー
地にあり地になく凝結すべくシャッター押す
膝を噛む脳に真横の仏来い
ありとあらゆるメガホンが向く庭日食
服の石ポケットに重いプテラノドン