ビン割る星の瞬き怒号を胸に秘め

裏山のまた裏で血を見る野球

粉よぎる地元は適温碁の駐在

炎近法と言うべきか夢から逃げたくて

鶴が汚い触角つけて山砕く

回っているのは誰と聞く旅寿命は初歩

隣は恨みの髪が長い夜蝋燭融けた

水かき失う図面の厚さよ光の中止

砂と旅の終わりはひとつ水金地

ジリジリジリジリ手足が来る胴はああ空を

盃の星へ雀は没になる

母曰くとするとき父は母を討つ

視界真緑左頬に大きな獣の舌

空母ほども留守を広げどこへ?どこへも

肩に挟まれ人体は切っ先と化す

ゆく列車から泡ゆく魂から見る

墜ちた星へ万里に刀の列連ねる

トンネル河口付近で互いに見えず屈曲

夜会樹・夜会草など解せぬ喰われてなお

悲しみの段翻す月が出て