目隠しで殴る踊り子のいた場所

湿原ふらふら吸う素足で触れられるかも

剥がれてまた指紋があるように五大湖

誰も喜ばないから海に行こう飼われて

土盛ってとある昔を選べない

潰れた鈴が鳴ろうとしている月の底

歯ブラシで食パン磨く朝のつもり

階段上がってすぐ壁の密度たるや建物

島の祭り騒がしく腹を見せる船

脳に揃う歯で味わう欠席のとろみ

色ずくめの丸一日寝る場所がない

半裸の石膏像直下に滝のごとく鉄

あわよくば茎でありたい球に主語

机上の木衰える空澱むより

電源コードを放り出すクリームパスタへ

断層黒ずむ幕どんどん故人のノック

泣く胃の縮尺ハレルヤと捧ぐ霧よ響け

都市の本侵されて蛾を焼く合意

猿の固化始まる新聞より早く

西という字がひしゃげて地下室の黴