身を寄せ合う寡婦雪辱を図解に託す

土星から泥が降るわたくし引力です

亀の上を紙飛行機が飛ぶもしもはない

駆け巡る破線は高潔なる局部

飢えに吊る橋大雑把に静まり返る

ダンスが聞こえる遠くから原生林から

違う方向を見ているカモミールが効いて

塩ブロック大きい入り口より暮れる日

託児所に仮面売る街への毛穴

埋められて石灯籠の味がする

保護膜下の修羅悲しくもあり暑中

銅鑼融かす壷中の怪雲たるや聾

花は焼かれて育つ煙に首もがれる

袈裟流す川上にうねる一過の生

ケーキ多層に預けて久しい目覚まし時計

借りて返す五線譜に絵の三日月刺す

滝光り道めく夜霧朱の目を喰う

瓦をしまうひとりで鳥になりたくて

宙に角砂糖象は大きくなり眉間

輪切りの蛇を表す学童笑み疲れて