スープの具の横に住むリャマ土曜に塗る

ケース広い夕闇収まり切って浮浪

領域我が敷地に達し揺れて月明の裡

老人車椅子でバケツ二個とホース運ぶ

切断された部屋にいるブックカバーかけて

日傘以外の金属音派手なマダムから

天秤座に生まれていれば姉だった

沸点間近笑う稚魚に侵されていく

クリーム砕けてゆく蝶よ花よこちらを印刷せよ

蛾はセロファンの毛を歌い上げる航路の果てに

常を上げた棚に沸騰する稲妻

くすんだ縄にいた医者谷にわずか膨らむ

星と血を分けるそれ以外のすべて

死筒に花束半分挿す子供でありたかった

赤鉛筆正しく赤く薄曇り

横断歩道踏み外す羽根のない子供ら

葉は根を離れた屏風みたいな川のギザギザ

主婦は確かに微笑んだがすれ違い煙突

回れ右祭りの塵を奥歯で擦る

罪悪感はあるか椅子からガラ瓦礫