風上の牛乳を心臓で割る

清酒のタンクに鈍い光その自分らしさ

たまねぎ一塊訓練剥ぎ訓練剥ぎホール

早退して午前の砂がよく見える

蝋の痣を席に移すと怖い顔

戦いなどどこにもないきのこ震えている

咳ひとつ遠い昔のテレパシー

憂いと書いて捨てる短冊に冬の寒さ

全容に雨一滴の敵討ち

端から端まで全部街猫疲れて金属

蛾を焚いてうっすらと青銅の柱

算数の隣に襞を寄せて蕾

花びらかも知れない眠る薬の袋

厳しい森が雨をいつまでも蓄えている

見え透いた真珠の奥に太陽図

前髪斜めに切る電流の交点に巫女

アクリルの滝が頭に来るローティー

小雨と子鮫は似ている数多押し寄せて

台紙見つめているこちらにふくらむまで

揺れるキーホルダー斜めにコンビニを七度