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針先に一粒の砂の女王の絶命
筆跡濃く山齧る裏であり蓋する
夜をピンクと呼ぶ友人の玄孫になる
事業センターの窓開く肉が迫り出し悪食
冷蔵庫を開けたまま百度目の二十歳
掛け軸翻るとある藪は耄碌の産毛
矢印は後年へ知恵の輪を掠る
碁盤縞に名を攪乱する無垢の肌
さあ焼いてみろ踊るがいいはためくのだ秘書
和室に数珠がポツンと若妻は恥じらう
大根の葉煙に覆われ色喪う
共生する夏の起源に母音過多
光彩放つ触発を地球外球面
瞬く毎銀河と原子入れ替わる
彼はと枯れ葉を区別できない指先のシステム
猿の血糊でありたいシャーロック・ホームズ
がなる謝礼のビールがこぼれて遺族のトーテム
赤い画面よ交差せよ惨劇の瑕疵
魚群の鞭に打たれ非業のカプセル授受
噴火が娶る下駄箱から消滅する温水