杞憂の舌は濡れている土に銀貨を積み

苛烈な淑女の波水鳥は注ぐ形に

乱暴の効能貼る夜から夜への脱皮

無理の背中は大きい明るい想定が来て押す

彼奴め鉄条網を呼んだぞ妻の眼光る

踏み外す不滅の荒々しいはねを

TVを秘めた箱から手紙が溢れ出る

鉄とは差し当たってぶち当たる非に過ぎない

雨の国の民の雨具を暴けばクッキー

ロウ融けてラジオにかかる酒場の肺

荷を下げて馬が通るよ水の蔵

カラスなど染みのひとつに紙吹いて

跡形もなく飛行機が飛んでしまう

取り下げた薔薇を闘争と見て取る騎士

サイも旅行する近代の術麗しい

コートに遮断機据えて選手の淋しさ募る

プラスチックの兵征く太陽系として

テレビの綺麗な泥貸すシーン静かになる

粉塵の正体ずらす二者プリズム

月は大きくわたしを無視する歩道の枝